大好き!織田作之助!!!

おはようございます、こんにちは、こんばんは。
店舗課に所属している一王です。

10月も半ばになりましたが、まだまだ日中は暑いです。
日々、穏やかに生活を送りながらも、まわりに立ち込める
きな臭いムード。

『ほぼ日』主催の糸井重里は、インターネット黎明期に、
“個人の発言が何の検閲も受けずに、世界に発信できる”ことこそが
その意義と言っていたけれど、国の代表の、公人としての発言が、
あんまりにも生死にかかわるリスクを含んでいて、短絡的に感じられると
長いタームで建設的に物事を考え進める気持ちがもう消沈しちゃう昨今。
この感じって、以前の戦前時に立ち込めていたムードじゃないのかな。

でも!
おいしい三度の食事を楽しみ、走ることや笑うことを喜び、
お風呂に入ることもレジャーで、毎朝一日が始まることを純粋に喜ぶ人や
今、手にあることで出来ることを真摯に見つめる近しい人とあれば、
気持ちよく、げんなりなんてしていられないよ!
そんな時に手にしたい作家、生々しく生きることを肯定する作家といえば、
それは、織田作之助さ!!!



終戦後太宰治、坂口安吾、石川淳らと共に無頼派と言われた
愛称『織田作』。
自由軒のカレーと酒を愛し、放蕩と無頼の生活の中、
結核による大量の喀血の末、33歳の短い生涯を終えました。



温かな大阪弁で綴られる、庶民の雑で大らかな暮らし
気は良いのだけれど、あんぽんたんで、アド・バルーンみたいに
ふわふわしている男。実直でぴりっとした啖呵は切るけれど可愛い女。
出てくる人はみな、自身で作ったルールの中で、精一杯声をあげて
生きています。
そこでは、食べること、過ごすこと、死も性もまったくが
あけっぴろげでフラットにあり、匂いたつようです。



大好きな「六白金星」。
その最後のくだりの引用です。
“そしていきなり、これを見てくれ、とコンクリートの上へ下駄を脱いだ。
見れば、その下駄は将棋の駒の形に削つてあり、表にはそれぞれ
「角」と「竜」の駒の字が彫りつけられてゐるのだつた。
修一はあつと声をのんで、暫らく楢雄の顔を見つめてゐたが、
やがてこの男にはもう何を言つても無駄だと諦めながら、
さア来いと駒を並べはじめた。“
何てドライブの効いた、格好のいい文章でしょう。



敬愛するミュージシャンで作家の町田康さんのライブかな、
講演会かなに行った際、織田作の話をされていました。
『その作品は、寂れた国道沿いにポツンと建つ電話ボックスの中で、
男ががむしゃらに全力疾走しているムード』。
慧眼、まさに!
そんなことをする理由はその男にしかわからず、
また一切の生産性を伴わない、だけど巨大な熱量。
今の今、手にしたいのは、その巨大な熱量です。

おしまい

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